大切な家族として猫を迎えいれるにあたって、健康管理は一番大切な飼い主の仕事です。とはいえ猫がかかりやすい病気や、家で取り組むべき対策が分からずに困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は病気に対する予防策、また家の中でのケガを未然に防ぐ対策についてご紹介します。
1. 猫の病気の予防策
猫の病気で多くを占めているのが、膀胱炎、嘔吐、結膜炎の3種類といわれています。ほかにも皮膚炎や歯周病など、人間と同じようにさまざまな病気にかかってしまう可能性があります。事前にできる対策や予防法がありますので、ぜひ日頃から猫の健康管理につとめましょう。
1-1. ワクチンや予防接種を受ける
ワクチンで防げる感染症や病気は数多く存在します。猫を迎えいれたときから、すぐに獣医師と相談のもとワクチンプログラムをつくりましょう。代表的な感染症としては、猫ウイルス性鼻気管炎や、猫白血病ウイルス、クラミジア感染症などがあげられます。ワクチンや予防接種には、感染を防いだり、症状を抑えたりする効果があるので、必ず受けさせてあげてください。
1-2. ノミ・ダニ予防のお薬を使用する
猫だけでなく、私たち人間にも影響を及ぼすのがノミ・ダニです。皮膚炎や貧血の原因となりますので、あらかじめ予防しておく必要があります。首筋に薬剤をたらすスポットタイプや、体にふきつけるスプレータイプ、飲み薬の錠剤タイプなど、さまざまな種類が用意されていますので猫の性格や状態によって選びましょう。
1-3. 膀胱炎を予防するため、水を飲みやすい環境をつくる
猫の病気で代表的なものが、膀胱炎です。本来砂漠で生きていた猫は、泌尿器系の病気にかかりやすい生き物です。とくに寒くなる秋から冬にかけて、水分を摂取することが少なくなることから、膀胱炎が起きやすくなります。水をこまめに補給できるような環境・習慣づくりに取り組みましょう。
1-4. 歯周病予防のため歯磨きシートや歯磨きガムを利用する
60〜80%の猫がかかるといわれているのが歯周病です。子どもの頃から、猫用の歯磨き粉を使用したり、あらかじめ薬剤が染み込んだ歯磨きシートを利用したりして、習慣づけておくことが大切です。どうしても嫌がる猫には、歯磨きガムを利用するとよいでしょう。歯石がたまってしまって歯磨きで取り除くのが難しい場合は、動物病院で歯石除去をお願いすることもできます。
2. 猫のケガの予防策
猫は人間の目線からは想像もできないような場所でケガをしてしまいます。普段私たちが暮らしている住まいには、猫にとっての危険がいっぱいひそんでいるのです。大切な猫を守るために今からできるケガ予防策をご紹介します。
2-1. 隙間を作らないように家具を設置する
隙間や狭い場所が大好きな猫は、小さな空間を見つけてはすぐに入りこんでしまいます。無理に動いて体をいためてしまったり、どこかにひっかかってケガをしてしまったり、さらには出てこられなくなってしまう場合もあります。できるだけ、隙間をつくらない部屋づくりを心がけましょう。
2-2. 飛び出し防止の柵や扉を利用する
猫は、大きな音や衝撃にびっくりして急に飛び出してしまう習性があります。その拍子にドアに挟まれてしまったり、外に飛び出して交通事故にあったりと大変危険です。玄関には、飛び出し予防の柵や扉をつけておきましょう。ベランダのフェンスの隙間には、すだれを設置しておくのがおすすめです。
2-3. 家電のコードやコンセントにカバーをつけておく
猫はひも状のもので遊ぶのが大好きなので、家電のコードなどで遊んでいるうちに絡まってしまう恐れがあります。さらに電気コードをかじって感電してしまうこともあり、大変危険です。電気製品のコードやスイッチ、コンセント類はまとめてカバーをつけて保護しておきましょう。
2-4. フローリングにはマットを設置する
フローリングは、表面がとても滑りやすいために、猫が転んでしまう危険があります。また高い場所から飛び降りた際に着地しにくかったり、ツルツルして歩きにくかったりすることから、足腰に負担がかかりヘルニアになってしまう恐れもあります。滑り止めシートや、フローリングマットを利用して対策を行いましょう。
2-5. 誤飲を防ぐため、鍵付きスペースを利用する
なんでも口に入れてしまうのが猫の性質でもあります。ひも類や小さな小物、また危険な薬品類などは誤飲の原因となります。扉の中に隠しておくだけではすぐに見つけてしまいますので、しっかりと鍵付きのスペースに収納するようにしましょう。
3. 万が一猫が病気やケガをしてしまった場合の対処法
どんなに予防をして対策を重ねていても、ケガや病気は突然におきてしまうものです。そんな時に慌てずに対応できるように、日頃から準備をしておきましょう。
3-1. 猫が嘔吐してしまった場合や体調不良の場合
猫の嘔吐は、比較的よくみられる症状の1つでもあります。その後、普段どおりに食欲があるようでしたら、そのまま経過を観察して大丈夫です。一方で、食欲不振や下痢などがみられる場合は、胃腸炎や誤飲の可能性もありますので、一度病院へ行きみてもらいましょう。
3-2. 猫がケガしてしまった場合
猫がケガをしてしまった場合は、応急処置をしてすぐに病院に連れて行くようにしましょう。出血している場合は、ガーゼなどで止血し、猫が傷口を舐めないように保護してあげることが必要です。ねんざが起きている場合は、氷水で冷やしながら病院へ連れていきましょう。
4. まとめ
大切な猫を守るために、今すぐできる病気やケガの予防についてご紹介しました。急な病気やケガにそなえて、日頃から動物病院で定期検診をうけたり、ペット保険に加入したりするのも大切です。家族の一員でもある猫が、毎日を健やかに過ごせるようにしてあげたいものです。